気になる?ジュエリーの製造方法
インターネットの普及と共にかつては専門の立場にある人しか知り得なかった情報が
PCやスマートフォンで簡単に調べられるようになりとても便利になりました。
特に、その情報について多くの人が関心を寄せるものであるほど
インターネットを介して広く共有され一般常識となるケースも増えています。
宝飾品の分野ではその一つにジュエリーの製造方法の違いについての情報があげられます。
一般的に指輪やペンダントなど身につける宝飾品には
大きく分けて「鍛造(たんぞう)」「鋳造(ちゅうぞう)」と呼ばれる二通りの製造方法があります。
ジュエリーの工法としてはそれぞれに優れた点がありますが
こと日常的に使う結婚指輪などはデザイン性もさることながら丈夫さやつけ心地も重要な要素となるため
メーカー側のPRと共にその製造方法までこだわって選択したいユーザーが増えてきたため
注目されるようになりました。
鍛造と鋳造の違い
鍛造とは地金を叩くなど文字通り「鍛える(きたえる)」ことで金属粒子の結びつきが強い
丈夫な金属をつくる製法のことを言います。
鍛造の歴史は古く、紀元前4000年頃エジプトやメソポタミアで自然産の金・銀・銅などを叩いて
装飾品や武器、神具などをつくったのが始まりと言われています。
日本製としては500年代に鉄製品の生産が増え、鍛造が用いられるようになり
世界で高い評価を受けるほどの優れた技術が培われていきました。
鍛造の優れた点は何と言ってもその丈夫さと圧縮することで生まれる
心地よい重み、なめらかな表面光沢とつけ心地です。
対する鋳造とは鋳型の中に溶けた貴金属を流し込む製法で
その歴史も同じく紀元前4000年頃のメソポタミアと言われています。
製品のクオリティーは鋳型の原型の精密さに大きく左右されますが
近年ではこの原型をCADで設計・製作する宝飾メーカーも増えてきました。
鋳造の優れた点は曲線の美しさを立体的に表現できる製法であることと
ある程度の量産が可能なことから鍛造で作る場合に比べ製作コストを下げられると言うところです。
ピアスなどなるべく軽いアクセサリーをつくる場合は中空に仕上げることもできます。
近年では材料となる地金そのものの研究開発で強度を高める工夫もされるようになりました。
鍛造の結婚指輪 VS 鋳造の結婚指輪
前述のように宝飾品の製造方法における鍛造と鋳造にはそれぞれ優れた点があります。
指輪の場合の簡単な特徴比較について下記にまとめてみました。
指輪の場合 | 鍛造(たんぞう) | 鋳造(ちゅうぞう) |
デザイン性 | ☆☆☆ 複雑な曲線など不向きなデザインがある |
☆☆☆☆☆ 曲線モチーフなど自由なデザイン性が特長 |
つけ心地 | ☆☆☆☆☆ 指どおりがなめらかで独特のフィット感あり |
☆☆☆ 近年の構造改良により付け心地はアップ |
丈夫さ | ☆☆☆☆☆ 金属を鍛える工程があるため変形に強くゆがみにくい |
☆☆☆ 細身のモデルは鍛造に比べ強い荷重に耐えられないものも |
価格 | ☆☆☆ 製作に手間がかかるため鋳造に比較して割高になる |
☆☆☆☆ 量産が可能なためペアでご予算10万円を切るモデルもある |
【鋳造製法の結婚指輪】
鋳造の良い点はなんといってもやわらかな曲線が自在に表現できるデザイン性の高さ。
特に最近の結婚指輪はリング内側に独特のカーブを持たせるなど
つけ心地にも配慮された製品が多くなってきました。
- 繊細なレリーフ調が美しい ラパージュのリング
- やや鋭角なS字ひねりが指を美しく見せてくれる
- 柔らかなラインにダイヤをあしらった細身のリング
【鍛造製法による結婚指輪】
シンプルで付け心地の良さを求めるなら鍛造の結婚指輪がおすすめ。
しっとりとなめらかな独特の付け心地を試着で体感してみてください。
弊店のお客様でご結婚前「指輪をつけるのは苦手」と話していた新郎様も
「フィット感があるので苦にならない」と一日中つけてくださるようになったという実例もあります。
- ドイツが誇る究極の鍛造リング
- 日本製の鍛造リングプロポネール
- 細身だからこそ鍛造にこだわりたい
鍛造の結婚指輪と鋳造の結婚指輪はどちらがおすすめ?
結婚の誓いのシンボルともいえる指輪にお二人が何を求めるのか
という点でおすすめする内容が違ってまいります。
前項でご紹介した比較表のようにそれぞれに優れた点がありますが
弊店にお越し下さるお客様には
「シンプルで少しでも丈夫なもの」を望まれる場合は鍛造の指輪を
「ひねりやウエーブを多用した立体的なデザイン」を望まれる場合は
鋳造の指輪を中心にご紹介しています。
また、最近は幅2mmに満たない細い指輪を望まれるカップルもいらっしゃいますが
結婚指輪は生涯お使いいただくものなので
弊店では細身であってもある程度の耐久性をもたせたリングをセレクトしています。
「鍛造の指輪は変形しないしキズもつかない」という誤解
結婚指輪のみならず一般的な宝飾品を購入する前に知っておいていただきたいのは
「どんなに高価なものであれ壊れないリング、傷が付かないリングは無い」という点です。
鍛造であれ鋳造であれ、金属には極端に大きな力でなくとも日々力が加わり続けることで
変形、亀裂などが生じる性質があります。
事実弊店では鍛造でおつくりしたご結婚指輪に過去二例ほど
本体の変形と変形による石外れがありました。
二例は何れも持ち主様が「極端に重いものを持った」などの自覚のないままに発生したもので
前述のように日々小さな力が加わり続けた結果によるものと考えられます。
いつも身につけていたい結婚指輪とはいえ
変形は指輪の破損と共に怪我の原因にもなりかねないので
下記のようなシーンでは一時的に外すことをおすすめしています。
・家具を動かしたりするなど重いものを持つとき
・運動で鉄棒を握ったりするなど金属が直接指輪にあたるとき
・ガーデニングや砂遊びなど石や砂が指輪に触れるとき
ネックレスやピアスに比べ、ものに触れる機会の多い指輪は
絶えず傷つきや変形のリスクにさらされているといえますが
持ち主様の取扱やライフスタイルによってもリングが受けるダメージには大きな差がでるのです。
以下つづく。。。
(この項目は書きかけです)